米国債務上限をめぐるプロレスに振りまわされた株式市場

米国株 S&P500

米国市場の一週間は、債務上限交渉のニュースに右往左往した一週間でした。経済指標では軒並み予想を下回る結果が出ており景気悪化が鮮明です。この記事ではS&P500等の主要指数の値動き、一週間の出来事、セクター騰落、S&P500のチャート、経済指標などをまとめました。「週末の一言」では個人投資家の目線でリアルに思うことを綴っています。

目次

米国市場:一週間のハイライト

S&P500等の主要指数の値動き

主要指数 揃って上昇」
VIX 16.82。Fear&Greed指数は 67で「GREED(楽観)」維持。

S&P500+1.65%
ナスダック+3.04%
NYダウ+0.38%
ラッセル2000+1.89%
日経平均+4.83%
TOPIX+3.11%
マザーズ-0.02%
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米国市場の主な出来事

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今週は米国債務上限交渉のニュースで右往左往。交渉が難航しているとのニュースで下落、進展したとのニュースで上昇。下落は限定的で概ね堅調な一週間でした。また、ニューヨーク連銀景気指数、小売売上高はいずれも予想を下回り景気悪化を示唆する結果でした。

5/15(月)+0.30%
ニューヨーク連銀景気指数が予想を大幅に下回り株式市場は下落。米債務上限問題が相場に重し。徐々に下げ幅を縮め、最終的には小幅に上昇して引ける。

5/16(火)-0.64%
小売売上高が予想を下回り長期金利が上昇→株安。米債務上限問題が重し。バイデン大統領とマッカーシー米下院議長が協議を行い「依然大きな隔たりあるも合意可能」とのコメント。

5/17(水)+1.19%
米債務上限に関する交渉進展への期待が広がり株価は大幅上昇。バイデン米大統領はデフォルト回避への自信を表明し、マッカーシー下院議長は週内合意は「実行可能だ」と述べた。

5/18(木)+0.94%
米債務上限を巡る交渉を楽観し株価は大幅続伸。マッカーシー下院議長、シューマー上院総務は6/1前の合意採決を見込む。フィラデルフィア連銀景気指数は予想を上回る。

5/19(金)-0.14%
マッカーシー下院議長側の交渉担当者らが米債務交渉を突然退席。協議は暗礁に乗り上げ株価は下落。パウエル議長は6月の利上げ休止を示唆。「ここまで政策を進めてきたので、データや変わりつつある見通しを注視して慎重に分析する余裕がわれわれにはある」とコメント。
 

債務上限問題とは?
政府が借り入れを行う上限。議会が新たな借り入れを承認しないしない限り政府は上限を超えて追加の債務を発行できない。現在6/1にも上限に達する見込みであり米議会で追加の債務発行について議論がされている。

米国市場 週間セクター騰落率

各セクターの騰落率をまとめました。半導体+7.76%ハイテクグロース+3.53%と大幅上昇した一方で、公益-4.23%生活必需品-1.56%は下落が鮮明です。ナスダックが上昇しダウが弱いという指数の動きと一致しています。個人投資家のドタ勘ですが、来週は少し巻き戻しというかセクターローテーションが起こって逆の動きが起きすかもしれませんね。

ハイテクグロース(QQQ)+3.53%
半導体(SOX)+7.76%
クリーンエネルギー(PBD)+0.44%
小型株(IWM)+1.96%
金融(XLF)+2.19%
工業(XLI)+1.32%
素材(XLB)+0.68%
エネルギー(XLE)+1.43%
コモディティ(DJP)+0.13%
ヘルスケア(XHE)-0.74%
生活必需品(XLP)-1.56%
公益(XLU)-4.23%
航空(JETS)+4.12%
一般消費財(XLY)+2.52%
インド(EPI)-0.76%
新興国(FM)-0.36%

経済指標の結果

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今週の経済指標の結果はいずれも景気悪化を示唆する結果が得られています。

ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月)☆☆
 結果:-31.80 予想:-3.70

小売売上高(前月比)(4月) ☆☆☆
 結果:0.4% 予想:0.8%

失業保険申請件数 ☆☆☆
 結果:242K 予想:254K

フィラデルフィア連銀製造業景気指数
(5月)☆☆☆
 結果:-10.4 予想:-19.8

経済指標の結果はInvensing.comを参照させていただいています。
(出典:https://jp.investing.com/economic-calendar/)。

S&P 500 日足チャート

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『上抜けして揺り戻し

今週のS&P500のチャートは約一カ月半続いたレンジをついに上抜けました。金曜は少し調整が入っていますが力強い上昇トレンドの開始が期待されます。5月はSell in Mayといわれ売り込まれる季節性ですが、このチャートから考えると我慢してホールドしてもよいかも知れません。私も金曜に一部のポジションを利益確定しましたが、5日線辺りで積極的に買っていく予定です。

マクロ環境

インフレ
2022年11月、12月、2023年1月のCPIが3カ月連続で上昇し、インフレの収まりが観測されました。しかしながら、2023年2月のCPI、PPI、PCEが予想を上回り、インフレ再燃の懸念が高まっている。
3月の雇用統計は平均受給が予想を下回る。CPIは予想通り、PPI予想を下回る。
4月の雇用統計、CPI、PPIはいずれも予想を下回る。インフレ再燃は認められず。
5月の雇用統計は予想を上回る。CPI、PPIは概ね予想通り。

FOMCによる利上げ
2022年7月 75bp、9月100bp、11月75bp、12月50bpの利上げ。
2023年2月 25bp、3月25bpの利上げ。5月25bp利上げ。前回声明の「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言が削除され、利上げ停止を示唆。

景気
2四半期連続でGDPがマイナス成長となり、テクニカルリセッション(景気後退期)に突入しました。また、ISM製造業・非製造業の両指数が50を下回っており、景気の先行きに不透明感が広がっています。シルバーゲート銀行が経営破綻、クレディ・スイスをUBSが買収、ドイツ銀行も経営悪化懸念。
5月に発表された経済指標(ミシガン大学、ニューヨーク連銀など)は軒並み悪く景気悪化が鮮明。

決算
2023年4月~5月に発表された企業決算は、大型ハイテク株を中心に予想を上回る堅調な結果。

次回FOMCでの利上げ予想

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6月のFOMCでの利上げ予想は据え置き81.4%、25bp利上げ予想が18.6%。先週よりわずかに利上げ予想が上がっています。

来週の経済指標

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来週の経済指標の予定をまとめました。来週はFOMC議事要旨国内総生産(GDP)個人消費支出(PCE)物価指数ミシガン大学消費者信頼感指数に注目です。

週末の一言

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「プロレス継続中」

今週はやはり米国債務上限問題のプロレスが展開されましたね。債務上限は毎年議論され、結局延長されてきた歴史があります。下記の図は米国の上限の毎年の推移を示しており、これまで70回以上にわたり引き上げられています(笑)。今年も落としどころをみつけて合意されるとの見通しが大半です。政治的な交渉の材料になているといった感じです。本当に米国デフォルトといった事態にならなければマクロ環境に影響を及ぼすには至らないと思います。

過去の米国の債務上限

一方で、大事なことは金融政策の見通しです。今週はパウエル議長は利上げ休止を示唆するコメントをしており、6月14日に予定されているFOMCにおいて利上げ休止を宣言する可能性があります。ただし、利下げにはまだほど遠く、安易な利下げをすると再びインフレが再燃してしまうのでFRBも慎重に判断すると思われます。

金曜は少し調整が入っていますが上昇トレンドが継続できるか注目していきましょう。

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この記事を書いた人

①株式相場の状況を発信
②長期投資のコツを発信
③CFD取引の経験談をわかりやすく発信

2016年投資開始|株ブログ350記事以上

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