5秒でわかる米国市場

米国株

おはようございますYOSHIです。前日の米国株式市場の値動きやポイントをささっと振り返るための記事を書きました。忙しい朝にどうぞ。

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目次

米国株式市場の概要

主要指数の値動き

主要指数は揃って大幅上昇。PCEデフレーターが予想を下回りリスクオンとなりました。
VIXは18.70と20以下を継続。Fear&Greed指数は49で「NEUTRAL」。FEARの水準を脱しました。

  • S&P500:+1.44%
  • NYダウ:+1.26%
  • ナスダック:+1.73%
  • ラッセル2000:+1.93%
  • 日経平均:+0.93%
  • TOPIX:+1.02%
  • マザーズ:+0.27%
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相場を動かしたポイント

  • PCEデフレーターが予想を下回り利上げサイクル終了を示唆→長期金利低下→株価大幅上昇
  • 2月の米国のPCEコア価格指数は前月比0.3%上昇し、市場予想の0.4%上昇を下回った。一方、PCE総合価格指数は前年同月比で5%上昇し、1月から伸びが鈍化しているが、目標の2%を大きく上回っている。
  • 一方で、各指数の上昇は出来高が伴っておらず、ミラー・タバクマット・メイリー氏は一部の銘柄のみが相場上昇に寄与しており、健全ではないとしてきしている。この指摘はもっともで、まだまだ機関投資家や個人投資家は恐る恐る買っており、ショートカバー主体の上昇と思われる(今日の一言の項も参考ください)。
  • サマーズ元米財務長官は、米国の金融問題について、峠を越えたと確信するには時期尚早であり、地震の揺れが続くと、もう揺れないと確信できるまでに長い時間がかかると慎重な見方を示した。また、信用収縮につながる他の「アクシデント」が起こる可能性は依然としてあると指摘し、ノンリニア型の金融のダイナミクスがどのように展開するかが重要だと述べた。そして、青信号を出すには時期尚早であり、ノンリニアの展開はないとの確信を持つには、ほぼ今夏いっぱいかかるだろうと語った。

米国セクター騰落率

昨日の米国市場の各セクターの騰落率について、上昇、下落それぞれの上位5セクターをピックアップしました。どのセクターに資金が入っているかの確認にどうぞ。

上昇セクター
 一般消費財セクター:+2.67%
 ヘルスケアセクター:+1.85%
 航空セクター:+1.33%

 小形株セクター:+1.84%
 航空セクター:+1.80%

下落セクター
 なし
※フォローしているセクターでは下落しているセクターなし

経済指標

主な経済指標の結果を示します。重要性については、Invensing.comを参照させていただいています(出典:https://jp.investing.com/economic-calendar/)。

  • コア個人消費支出(PCE)物価指数(前月比)(2月)(☆☆☆)
    結果:0.3% 予想:0.4%
  • 個人消費支出価格指数コア (前年比) (2月)(☆☆)
    結果:4.6% 予想:4.7%
  • 個人消費支出価格指数 (前月比) (2月)(☆☆)
    結果:0.3% 予想:0.5%
  • 個人消費支出物価指数 (前年比) (2月)(☆☆)
    結果:5.0% 予想:5.1%
  • 個人消費支出価格指数 (前月比) (2月)(☆☆)
    結果:0.3% 予想:0.5%
  • 個人消費支出物価指数 (前年比) (2月)(☆☆)
    結果:5.0% 予想:5.1%
  • 個人支出 (前月比) (2月)(☆☆)
    結果:0.2% 予想:0.3%

※個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)とは?
全米のすべての国内個人消費物価の平均的上昇を示す指標。物価指数と価格指数が発表される。コア指数は、食品とエネルギーを除く、消費のために消費者が購入した財とサービスの価格変動を測定する。米国における購買動向やインフレを測定する重要な指標であり、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する上で重視していることで知られる。
出典:Invensing.com https://jp.investing.com/economic-calendar/

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米国債券相場

  • 米10年債利回り: 3.473(-2.50%)
  • 米30年債利回り:3.651(-2.46%)
  • 米2年債利回り:4.038(-2.04%)
  • 逆イールド状態継続。PCEデフレーターの結果を受け大幅下落。
  • これまでの金融システム崩壊懸念による下落とは違い、今回は健全な下落。

※逆イールドとは?
短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右下がりの曲線となっている状態のこと。市場関係者が将来的に金利が下がるとみている場合に起こる現象で、一般的に景気後退の兆候として捉えられる。
出典:野村證券 証券用語解説集 https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ki/A02007.html

為替相場

  • ドル円:132.797(-0.07%)
  • 月末のポートフォリオ調整によりドルが上昇したが、四半期ベースでは下落し続けており、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間で0.6%、月間で2%安となった。
  • ドル/円は週間では1.5%下落、月間では2.5%上昇した。
  • MUFGのデレク・ハルペニー、リー・ハードマンは、外国勢の債券買いがドル高を勢いづけた可能性があるが、米利回りの大幅低下は依然としてドル/円の下落リスクを示しているとの見方を示した。

原油相場

  • ニューヨーク原油先物相場は、月間で下落し、5カ月連続の値下がりとなった。四半期ベースでは、2020年第1四半期以来の2回目の下落。
  • 米経済を巡る不安定なセンチメントと銀行危機が金融市場を覆っている中、原油相場は下落。中国の需要回復に期待するも、回復は予想よりも緩やか。
  • 大手金融機関や業界関係者は年内の原油相場について強気の見通しを示している。今週はイラクとクルド人自治区の対立があり、価格は週間ベースで今年最大の上昇を記録した。
  • ニューヨーク商品取引所のWTI5月限は週間で9.3%上昇し、1バレル=75.67ドル。月間では1.8%安、四半期では5.7%下落した。ロンドンICEの北海ブレント5月限は週間で6.4%上昇し、50セント高の79.77ドル。月間では4.9%下落、四半期では7.2%下落した。

相場

  • ニューヨーク金相場は反落し、1オンス=1986.20ドルとなった。しかし、月間では7.2%高となり、銀行セクターの混乱で逃避需要が強まり、金買いが広がった。
  • 米国の銀行不安を受け、追加利上げ期待が急速に縮小した。物価指標の伸びが市場予想を下回り、利上げサイクルが終了に近づいているとの希望を後押しした。
  • TDセキュリティーズのバート・メレク氏は、「予想を下回るインフレ指標は、米金融当局にタカ派姿勢を弱める余地を与える」と指摘し、「金相場が1オンス=2000ドルに上昇すると見込んでいる」と述べた。

今日の一言

今日の一言は「リスク、オン🚀だが、出来高が小さい点には注意。」です。

金融引き締めサイクルの終わりが意識され、明確にリスクオン(株が買われる)の展開になっています。昨日の相場の動きのうち、米国長期金利がが下落している点に注目しています。これまでは金融システム崩壊懸念で長期金利が下落する悪い理由の下落(経済崩壊懸念の下落)でしたが、昨日は、PCEデフレーターが予想を下回ったことで金融引き締めの終わりが見えてきたというよい理由での下落と考えています。

PCEデフレーターは、全米の国内個人消費物価を示したもので、予想より高ければ個人の目線から物価が高い(インフレ傾向にある)ことを示唆するデータであり、予想より低ければ物価が低い(インフレが落ち着いている)ことを示唆するデータです。つまり、インフレが落ち着いていることがデータで見えていることを意味します。これは、FRB(米国中央銀行)が利上げを止めることを肯定する一つの根拠データとなり、金融引き締めを終わらせる方向に動く可能性があります。これを好感して昨日はリスクオンになりました。

ややこしいですが、この辺りの繋がりがわかってくると、点と点が繋がって経済の仕組みが見えてきて面白いです。読者の皆さんにもうまく伝わっているといいなと思います…。

一方で、昨日のS&P500をはじめ各指数の出来高(売買代金)を見ると、株価が大幅上昇した割に出来高は大きくありませんでした(むしろ低いぐらい)。これは恐らく、まだ機関投資家や個人投資家は恐る恐る株を買っていて、ショート(下落したら儲かるトレード)の損切(ショートカバー)が昨日の上昇の要因ではないかと思われます。
この後、機関投資家が積極的に買っていけば引き続き上昇すると思いますが、新たなリスク要因が出てくれば大幅下落という展開もあり得ます。高値は買わないようにしたり、過熱感があれば一部を利確するなど、注意しながらトレードしていきましょう。

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今週の経済指標

今週発表される経済指標についてまとめました。今週は木曜のGDPと金曜のPCEデフレーター(個人消費支出物価指数)に注目しています。今週も様々な経済指標が発表されましたね。週末のblog記事で結果をまとめます。

経済指標

先週一週間のハイライト

こちらの記事では、先週一週間の相場を振り返っています。振り返りにどうぞ。

先週一週間の主要指数と主な出来事のまとめです。

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米国株月間レポート(2023年2月)

こちらの記事では、2月の相場を振り返っています。ご参考ください。

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この記事を書いた人

①株式相場の状況を発信
②長期投資のコツを発信
③CFD取引の経験談をわかりやすく発信

2016年投資開始|株ブログ350記事以上

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