米国市場の一週間のポイントをまとめました。「週末の一言」では個人投資家の目線で思うことをコメントしています。
米国市場:一週間のハイライト
主要指数の値動き
主要指数 まちまちの展開。
VIX 15.77。Fear&Greed指数は 60で「GREED(楽観)」維持。
- S&P500:+0.87%
- ナスダック:+1.28%
- NYダウ:+0.86%
- ラッセル2000:-1.26%
- 日経平均:+1.02%
- TOPIX:+1.10%
- マザーズ:-1.01%
主な出来事
今週はファーストリパブリックバンクの決算と、資産売却報道を受け金融不安が再燃、週前半は大きく下げました。しかし、マイクロソフト、グーグル、メタ(旧Facebook)とハイテク企業の決算が軒並み良好で週の後半には下落分を上回る上昇を見せました。
4/24(月)+0.09%
主要企業の決算発表を控え様子見。4/25 after market マイクロソフト、グーグル 4/26 after market メタ(旧フェイスブック) 4/27 after market アマゾン、インテル
4/25(火)-1.58%
ファーストリパブリックバンクが期待外れの決算と資産売却報道を受け大幅下落(-49%)。相場全体に売りが広がる。アフターでマイクロソフト、グーグルが予想を上回る決算を発表し(+5.11%、+3.63%)
4/26(水)-0.38%
ファースト・リパブリック・バンクが30%安と続落。緊急貸出制度の利用が制限される可能性がある点が引き金。マイクロソフトが7.5%上昇。ハイテク銘柄を下支え。アフターマーケットでメタ(旧Facebook)が決算発表。予想を上回り時間外で大幅上昇(+11.9%)
→時間外で約4%の下落。
4/27(木)+1.96%
ハイテク企業の好決算を受けハイテク株が上昇を牽引。メタは14%高。アフターマーケットでアマゾンが決算発表。予想を上回り時間外で上昇(+1.3%)
4/28(金)+0.83%
前日から続く反転が継続。注目された個人消費支出(PCE)物価指数も大きな波乱なし。力強い企業決算が相場の上昇を後押し。
週間セクター騰落率
米国市場の週間セクターの騰落率をまとめました。インドと新興国が上がってますね。その他にはハイテクの週です。まだまだ上がっていないせセクターが多いので来週続いていくかに注目です。この情報を見ると資金が入る余地は大いにありそうです。
ハイテクグロース(QQQ):+1.88%
半導体(SOX):-0.88%
クリーンエネルギー(PBD):-1.40%
小型株(IWM):-1.33%
金融(XLF):-0.15%
工業(XLI):-0.61%
素材(XLB):-0.19%
エネルギー(XLE):+0.18%
コモディティ(DJP):-1.21%
ヘルスケア(XHE):-1.48%
生活必需品(XLP):+1.14%
公益(XLU):-0.92%
航空(JETS):-0.99%
一般消費財(XLY):+0.33%
インド(EPI):+3.15%
新興国(FM):+1.04%
経済指標の結果
今週発表された経済指標の結果をまとめました。今週は個人消費支出(PCE)物価指数と国内総生産(GDP)が発表されました。いずれも経済が弱いことを示唆する結果でしたが株価には大きな影響はありませんでした。むしろインフレの加速は認められなかったため相場には安心材料となりました。
消費者信頼感指数(4月)(☆☆☆)
結果:101.3 予想:104.0
新築住宅販売戸数(3月)(☆☆☆)
結果:683K 予想:630K
コア耐久材受注(前月比)(3月)(☆☆☆)
結果:0.3% 予想:-0.2%
国内総生産 (前期比) (Q1)(☆☆☆)
結果:1.1% 予想:2.0%
失業保険申請件数(☆☆☆)
結果:230K 予想:248K
個人消費支出(PCE)物価指数(前月比)(☆☆)
結果:0.1 予想:0.3
コアPCE物価指数 (前月比)(☆☆☆)
結果:0.3 予想:0.3
ミシガン大学消費者信頼感指数(☆☆)
結果:63.5 予想:63.5
なお、経済指標の結果はInvensing.comを参照させていただいています
(出典:https://jp.investing.com/economic-calendar/)。
S&P 500 日足チャート
『チャートは上抜け』
3週連続のモミアイから一気に下げて一気に上昇の一週間。ショートカバーを巻き込んだ上昇が起きていると思われます。一旦下げたことで需給が整理され綺麗に上抜けましたので、しばし青天井相場を期待したいと思います。3月の安値と今週の安値と結んだトレンドラインを維持して上昇するかどうかに注目です。
マクロ環境
今週も大きなアップデートはありません。5月のFOMCが待たれます。
インフレ
2022年11月、12月、2023年1月のCPIが3カ月連続で上昇し、インフレの収まりが観測されました。しかしながら、2023年2月のCPI、PPI、PCEが予想を上回り、インフレ再燃の懸念が高まっている。
3月の雇用統計は平均受給が予想を下回る。CPIは予想通り、PPI予想を下回る。
4月の雇用統計、CPI、PPIはいずれも予想を下回る。インフレ再燃は認められず。
FOMCによる利上げ
2022年7月 75bp、9月100bp、11月75bp、12月50bpの利上げ。
2023年2月 25bp、3月25bpの利上げ。
景気
2四半期連続でGDPがマイナス成長となり、テクニカルリセッション(景気後退期)に突入しました。また、ISM製造業・非製造業の両指数が50を下回っており、景気の先行きに不透明感が広がっています。シルバーゲート銀行が経営破綻、クレディ・スイスをUBSが買収、ドイツ銀行も経営悪化懸念。経済指標の結果は軒並み悪い。
決算
企業の決算は全体的に低調で、ガイダンス(業績予想)も弱い傾向にあります。多くの企業が大規模なレイオフを実施し、自社株買いに期待がかかる状況となっています。
次回FOMCでの利上げ予想
次回5月のFOMCでの利上げ予想は据え置き予想が16.1%、25bp利上げ予想が83.9%。先週末から25bp予想が5.9%上昇し来週のFOMCでは25bp利上げがメインシナリオになっています。
来週の経済指標
来週の経済指標の予定をまとめました。来週はFOMCと雇用統計が重なっている一週間です。加えてISMの製造業と非製造業、JOLT求職、ADP雇用統計と重要な経済指標の発表が盛り沢山です。
週末の一言
「雨降って地固まる」
3週間モミモミしていた相場が大きく動きました。結果的には、金融不安で大きく下げた後、好調な企業決算を受け上抜けと劇的な展開となりました。下落時に損切りされた方は涙目でしょう。かくいう私は、週前半に相場の雰囲気が怪しくなった時に利確→下げは回避→木・金で買い戻しと運よくよい立ち回りができました。相場って本当に難しいなと思います。一瞬の判断ミスで持っていた含み益は気づいたら含み損に、様子見をしていたら追いていかれて上がってしまったということがよくあると思います。この一瞬の判断をするために、私は毎日、相場の状況や経済指標、チャートを学んでいるといっても過言ではありません。このblogやtwitterではリアルタイムに私が収集している情報や考えをシェアしていきます。よければフォロー等していただけると幸いです。
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ここから下は先月のまとめ記事です。
まだ読まれていない方はご参考ください。
米国市場月間レポート:相場の現状分析と今後の展望(2023年4月)
2023年の4月相場のまとめ記事です。相場の大きな流れを把握するためご一読いただけると嬉しいです。
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