この記事では米国市場の一カ月の動きをまとめました。2023年6月相場は大幅に続伸。FRB（連邦準備制度理事会）による利上げ停止により株式市場に資金が流入しました。データでから米国市場の一カ月を振り返りましょう。
この記事のポイント
1．主要指数は全面高
2．S＆P500は月間で今年最大の上昇
3．日本市場も大幅上昇
4．上昇トップ3セクターは航空、エネルギー、半導体
5．上昇の理由はFRBによる利上げ停止
米国株式市場：2023年6月相場のハイライト
主要指数｜全面高 ラッセル2000、マザーズなどが大幅上昇
主要指数は全面高。S＆P500は+6.47%と月間で今年最大の上昇幅となりました。特にラッセル2000（+7.95%）、ナスダック（+6.59%）の上昇が大きかったです。日本市場も記録的な上昇。マザーズ（+9.08%）、日経平均（+7.45%）、TOPIX（+7.41％）といずれも大幅に上昇した一カ月でした。
| 指数 | 騰落率 |
|---|---|
| S＆P500 | +6.47% |
| NYダウ | +4.56% |
| ナスダック | +6.59% |
| ラッセル2000 | +7.95% |
| 米国10年金利 | +5.4% |
| 日経平均 | +7.45% |
| TOPIX | +7.41% |
| マザーズ | +9.08% |
| VIX | -24.21% |
月間セクター騰落率
セクター事の月間騰落率をまとめました。航空（+5.99%）、エネルギー（+4.93%）、半導体（+4.74%）が上昇幅が大きいです。
| セクター | 騰落率 |
|---|---|
| ハイテクグロース | +1.90% |
| 半導体 | +4.74% |
| クリーンエネルギー | +4.54% |
| 小型株 | +3.71% |
| 金融 | +2.96% |
| 工業 | +3.91% |
| 素材 | +4.02% |
| エネルギー | +4.93% |
| コモディティ | -0.91% |
| ヘルスケア | +2.10% |
| 生活必需品 | +0.53% |
| 公益 | +0.63% |
| 航空 | +5.99% |
| 一般消費財 | +2.64% |
| インド | +2.29% |
| 新興国 | +0.90% |
主な出来事｜FRBによる利上げ停止 あと2回の追加利上げを示唆
6月相場をブログ記事と図解で振り返ります。今月一番大きな話題はFRBによる利上げ停止でした。その後、パウエル議長はあと2回の再利上げの可能性を繰り返し示唆しました。
世界経済（マクロ環境）
インフレ
- 2022年11月、12月、2023年1月のCPIが3カ月連続で上昇し、インフレの収まりが観測された。
- 2023年2月のCPI、PPI、PCEが予想を上回り、インフレ再燃の懸念が高まる
- 3月の雇用統計は平均受給が予想を下回る。CPIは予想通り、PPI予想を下回る
- 4月の雇用統計、CPI、PPIはいずれも予想を下回る。インフレ再燃は認められず
- 5月の雇用統計は予想を上回る。CPI、PPIは概ね予想通り
- 6月の雇用統計はまちまち。CPI、PPIは予想を下回る。インフレ鎮静化の兆候
FOMCによる利上げ
- 2022年7月 75bp、9月100bp、11月75bp、12月50bpの利上げ。
- 2023年2月 25bp、3月25bpの利上げ。5月25bp利上げ。6月利上げ一時的に停止。
- 6月FOMCにて利上げを一時停止。今後、2回の再利上げの可能性を示唆
米国景気
- 2四半期連続でGDPがマイナス成長となり、テクニカルリセッション（景気後退期）入り
- ISM製造業・非製造業の両指数が50を下回っており、景気の先行きに不透明感が広がっています
- シルバーゲート銀行が経営破綻、クレディ・スイスをUBSが買収、ドイツ銀行も経営悪化懸念
- 5月に発表された経済指標（ミシガン大学、ニューヨーク連銀など）は軒並み悪く景気悪化が鮮明
- 6月の経済指標はまちまち。景気は底堅い
企業決算
- 2023年4月～5月に発表された企業決算は、大型ハイテク株を中心に予想を上回る堅調な結果。
- エヌビディアが超絶決算。AIは実需フェーズに。
相場展望
大きく上昇した一カ月。なんと2023年相場前半は6カ月のうち5カ月上昇とここまで非常に強いです。金融引き締めの終了が大きく影響していますね。後半も好調は相場になるのか一旦下落するのか。例年9月のレイバー・デイ明けは相場が崩れるので要注意です。
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